« mghd020001システムコンセプト | トップページ | mghd020102世界設定:大法典と魔法学 »

2018年6月14日 (木)

mghd020101世界設定:魔法使いの正体

魔法使いの正体

魔法使いの読み方
 『マギカロギア』に登場する<魔法使い>という言葉には、本来<>が付いてない。よってこれはシステム独自の言葉ではない。世間一般で使われている意味そのままだということだろうか。(→ref20171222マギカロギア用語辞典、ref20180207魔法と魔法使い)

 しかしそうなると、このシステムは、PCたちを示す特別な言葉を持っていないことになる。普段は「PC」で良いとしても、それでこのシステムにおけるPC像が結べるだろうか?

 このシステムのゲーム世界は現実世界だ。<魔法使い>という言葉が示すイメージは数多にのぼる。 そもそも、<魔法使い>はたくさんいる超常的存在の1種に過ぎないのだ。(→ref20180213越境者について)

 システムのイメージを確立させるためにも、<魔法使い>にもフリガナが必要ではないだろうか。(→ref20180426世界設定(概要)、ref20180426システムの範囲・限界)

ヘブンズドアー
 我々にとっての『マギカロギア』とは「本×魔法使い」だ。つまりPCは「本の魔法使い」だ。

 両者の関係性を示す、より具体的なイメージが欲しい・・・我々は思案した。

そうだ、「ヘブンズドアー」だ !!

Hevensdoor01_50

Hevensdoor02_50

『ジョジョの奇妙な冒険』34巻(荒木飛呂彦 集英社) 「漫画家のうちへ遊びに行こう その1」より

 この2見開きは岸部露伴が最初にヘブンズドアーの能力を使うシーンだ。ここには粗い画像しか載せないので、ぜひ実物で画とセリフを確認して欲しい(買ってね!)。

 ターゲットとなった広瀬康一は指から『ページ」が開き、全身に広がっていった。こうして『本』になった康一を露伴は「読む」。

 余談だが、ヘブンズドア―は当初、原稿を見た者を『本』にして読んでいた。読んだ者が読まれる者になるのだ。これはどこかで考察したいな。

 まるで対象を本にしてコレクションする<書籍卿>のようだ。このビジュアルだけでも「どストライク」だが、露伴のセリフがまた素晴らしいのだ。

「わたしの能力…『天国への扉(ヘブンズドア―)』によって心の扉は開かれる」

 

「人間の体にはいろんな事が記憶されている……………今まで生きてきた全てがね……」

 

「それを読むために君たちを『本』に変える! 君たちの自身の人生が描かれた『本』にね」

 ずばり、我々が狙う『マギカロギア』のPCのイメージは、ただ単に「本を読む魔法使い」ではない。

 「本を読むこと自体を魔法にしている魔法使い」、ひいては「すべてを本として扱う、あるいは接する魔法使い」だ

 ・本を読むように、対象を開き、情報を得る(調査)
 ・本を著すように、命令を書き込み、対象を操る(操作)
 ・本を綴じるように、対象を拘束し、所有する(支配)

 そんな彼らが、人々に徒なす邪悪な本を狩るのだ。正直言って地味だ。その一方で書籍愛好家(ビブリオマニア!)にはたまらない内容だと思う。大ヒットするかは分からないが、一定の支持は得られると思う。

 なお、MGHDが『ヘヴンズドア』になったのは、元ネタとの区別を付けるためだ。それ以上の意味はない。


本の世界

 <魔法使い>にとってすべての存在は抽象であれ、具象であれ、情報の集積であり、世界は巨大な本、本棚あるいは図書館である。それは<魔法使い>これが世界を本として捉えているからだ。

 「名付けの力」の源である言葉は、連なると物語となる。言葉はページ≒紙片に記される。まとめられて本になる。並べられて本棚(<蔵書>)になり、部屋へ、そして建物になる。

  文字や絵が書かれた紙片(ページ≒断章?)

→(集まって)本(禁書、魔道書?)

 →(集まって)本棚(蔵書?)

 →(集まって)部屋(図書室)

 →(集まって)建物(図書館)

 これら一連のものは、すべてが本のメタファーである。言葉を収めたハコ、それが本なのだ。

 本を表現するときのキーワードは「扉(ドア)」だ。つまり扉が付いてものは全て、本のメタファーになれるということだ(もちろん、ヘヴンズ「ドア」もな)。

 もちろん外開きが標準だぞ、内開きの本はないだろ? 言い換えれば、外開きは入る時、内開きは出て行くときだ(どうでも良いことかもしれないが、この辺りにはこだわりたいのだ)。

 ハコは大きければ家やビルになり、小さければ本や文字通りの箱になる。そして厚ければ、つまり表紙は「開き」、薄ければ、つまり本文は「めくる」のだ。

 箱の変形であるカバンも本のメタファーになる。表紙に鍵の付いた本を発展させるとスーツケースのような外見にならないだろうか(サムソナイトのリモワだ)。完全防備の装丁だ。

 蛇足だが、本棚だって扉が付けば箱になる(戸のない本棚が“開架”だ)。

 岸部露伴は生きている人間だけを「読んでいた」が、<魔法使い>はすべての存在を「開き」、そして「めくって」、「読む」のだ。

二つの蔵書
 【蔵書(ライブラリー)】という言葉は、本が収まっている空間自体を示す場合がある。(→ref20180126魔法の使用)本のある部屋≒図書室だ(文字通りの“ライブラリー”だ)。つまり、そこに収められている本、それが【蔵書】だ。

 その中に置いて、オフィシャルが示しているのは、ゲーム的に意味のある棚だけではないだろうか。【蔵書】と呼んでいるのは、あくまでも【魔法】の記された魔道書だが、広義の【蔵書】とは、キャラクターの記憶や様々な情報を収めたものではないだろうか。

 【アンカー】や【重荷】が入る関係欄も【蔵書】の一種ではないかと我々は考える。<魔法使い>たちは対象の内部を【蔵書】として認識し、読んでいるのだろう。視覚的にピッタリなものがあるので引用する。主人公の記憶が複数の本として表されている。

 余談だが、作品自体も言葉を使った精神操作なので、参考資料としてもお勧めだ。原作は小説だが、本作の方がよりイマ風の表現になっているのでこちらがお勧めだ(買ってね!)。

Library0101

(『ウルトラバロック・デプログラマー 1』「COMMAND MELODY 2」(浅田寅ヲ/いとうせいこう)より)

 本が複数あるので本棚でまとめているが、ここでもやはり部屋になっている。

Library02_85

(同上より)

 魔道書は“形而上”の存在である。<魔法使い>は自身の精神というか魂を変化させて、本を置く場所としての【蔵書】を作ると我々は考える。

 <魔法使い>は能力を得る最初の段階で“魂のフォーマット”を行う(あるいは起こる)のだ。<魔法使い>の【魔法名】とは、実は【蔵書】という本を収める空間の名前ではないだろうか(あと属す領域とかも)。

 その際、<刻印>を収蔵することでそれに関わる事象を操る能力を得る(逆にこれを可能にするための“フォーマット”とも考えられる)。そして先ほどのように魔道書を収めることで【魔法】が使えるようになるのだ。

 さらには、これと同時に記憶などの情報が“書籍化(アーカイブ)”されて、【蔵書】に収められていく。本棚を作るということは、そこにあったものが本になるということでもある。つまり、自分自身を本にするのだ。

 これが【第1階梯】だ。その後、【階梯(≒能力値)】が上がるごとに【蔵書】は広くなって行き、たくさんの【蔵書】を収納できるようになる。【階梯】が上がるごとに修得できる【魔法】の数が増えるのはこういうわけだ。

 偉大な<魔法使い>たちの【蔵書】はどんな姿だろう。深遠なる世界の秘密を湛えた知の殿堂は、きっとこんな風に違いない。下のアドレスに掲載されている図書館はすごいよ! (末部に載せた書籍もすごいよ)

死ぬまでに行きたい世界の図書館15
http://www.tripadvisor.jp/TripNews-a_ctr.Libraries

 余談だが、人によって【蔵書】の姿が違うように、場所としての【蔵書】も、人によって大きく異なると思われる。(→ref20171222キャラクターの蔵書)魔道書を剣にしている<魔法使い>なら、【蔵書】には剣が並ぶことになる。

 さらに細かい違いがあって、【経歴】でいうなら、<書警>なら武器庫、<司書>なら展示室、<書工>なら工房(鍛冶場?)とかだろうか。

 個人の【蔵書】は自分の空間あるいは世界だ。(→hekc090902心の在り処)そこではもちろん、本人の世界観が最優先される。彼は一つ国の主、王なのだ(国民は自分だけだけど)。

 そしてつまり、<呪圏>の源は【蔵書】なのだ。<呪圏>は伸び縮みする王国の領土、勢力圏なのだ(本当か?)。個人の【蔵書】が出てくるシーンとか作れたら面白いんだけど・・・

 ところで、持ち主が【消滅】するとき、【蔵書】も一緒に消滅するのだろうか。【魔法】の魔道書は【プライズ】としてその場に残るのではないだろう。それらはあくまでも独立した存在だから。

 そしてそれ以外「書籍化した魂」が残った場合、これが「禁書への転化」ではないだろうか。もちろん、<禁書>にならずに純粋に魔道書として残る可能性もあると思うのだが(あるいは<野良断章>か)。(→ref20180207書工)

読み書くという行為
 事件の真相を知りたければ、実際に会って調べなければ分からない(<断章>に憑依されているかとか!)。そのための手段として、MGHDの<魔法使い>は対象を“めくって”読むことができる(岸部露伴のように)。

 めくらなくても、<魔法使い>の目は常人には見えないものを見ることができる(はずだ)。(→ref20180123ゾーキング)めくるということは、隠されたものを敢えて明らかにするということだ。本の<魔法使い>は秘密の探求者でもあるのだ。

 あらゆるものを“めくる”「魔法使いの指」、世界を本として捉える<魔法使い>を象徴する部位にして能力だ。

 さらにその指は、めくった先に書き込みをして、対象を操ることができる。『マギカロギア』の魔法は因果の流れを操ることによって起こる。

 世界を書物として捉える<魔法使い>の場合、世界を“めくって”書き込めば、それが実際に起こる。まさに物語を書くように現実を書き換えてしまうのだ。

 ただし、普段は口頭でも十分だ。相手が“聞く耳”を持っているのなら、言葉を発すれば、それが現実になる。「名づけの力」のバリエーションだ。手で書き込むのはより意図的で強制的な行為なのだ。

 また、書くという行為には、頭の中にあるものを文字や絵にする機能がある。自分から外に出し、独立した存在にすることで、対象を客観視できるのだ。

 そして内容が残るので後から修正もできる。つまり見ては直し、見ては直して完成度が上げられる。期間を置いて作業できるなどの利点がある。

 通常書き込みには、ペンなどの道具が必要だが、先の通り<魔法使い>なら問題にならない。指でもいいし、そもそも先ほどの通り、口頭による入力が可能だ(発した言葉が文字になってページに貼り付くだろう)。

 それでも書くという行為が残っているのは、その動作そのものに思考の要素があるからだ(身体的思考、「手が考える」のさ)。

 余談だが、読むと書くは対立する要素に思えるかもしれないが、書く読書というものも存在している。いわゆる写本だ。読書の究極形とも呼ばれる。対象を真に理解するには、書き写すのがベストというわけだ。(→ref20171005第三章 本と読者)

書籍魔法使い
 彼らの能力と今まで<大法典>がやってきたことを考えると「気に入った者を見つけると本にする恐い奴ら」ではないだろうか。結構、警戒されそうだ。

 彼らは、その振舞いからしてこう呼ばれるのではないだろうか。

「bibliomagica(ビブリオマギカ)=書籍魔法(使い)」

 単語の長さから考えて、魔法の種類がそのまま呼称として流通していると思う。あるいは悪名はすぐ広まるので「書籍狂(ビブリオマニア)」だったのかもしれない。

 そのうち、他のタイプの魔法使いが少なくなり、自分たちが主流になったので、冠を外したのだろう。よって本来は<(書籍)魔法使い>だったのではないかと思う(本当か?)。

 余談だが、自分たちで他の魔法を<人界>から一掃しておいて、これはどうかと思うのだが、まあ、歴史は勝者によって作られるのだろう。

 ところで原初の<(書籍)魔法使い>により近いのは、3つの【経歴】のうち誰なのか。一見すると、本の専門家である<司書>のように思える。しかし答えはやはり<書工>だと思う。(→ref20180213阿房宮)

 原<魔法使い>は【経歴】のそれぞれの役割を一人でこなしていたと考える。つまり、“原稿”を捕らえ、本にして、所有≒管理する。

 一連の行動の中心は本だ。原稿を集めるのは本にするためで、そもそも本がなければ所有できない。原初の<(書籍)魔法使い>が<大法典>で分化して、3つの【経歴】に分かれたのだろう。

|

« mghd020001システムコンセプト | トップページ | mghd020102世界設定:大法典と魔法学 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/126999/73680977

この記事へのトラックバック一覧です: mghd020101世界設定:魔法使いの正体:

« mghd020001システムコンセプト | トップページ | mghd020102世界設定:大法典と魔法学 »