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2006年9月 3日 (日)

団長閣下の暴言02 ボクは初心者マスター

ボクは初心者マスター

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団長閣下の暴言01 学級崩壊の時代
https://kokutoarchives.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_bedb_1.html

 

INTRODUCTION  ええ、初心者ですとも・・・10年目のね

 

 我が団員の中に、始めての相手とゲームをするとき、よく初心者のフリをする男がいる。

 

 誰とは言わないが、ソイツがつまらないセッションだと、すぐに寝るとか、いつもサングラスをかけているのは、寝ているのを気づかれないためだとか、RPG歴は既に二桁だとかも言わないが・・・ねえ、O氏

 

(黒骰子団本部注:最近はやってない筈です)

 

 話を戻そう。彼は自分が初心者と宣言する事によるメリットを、熟知しているのだ。如何なるメリットがあるのだろう。

 

 まず、自分がプレイヤーの場合を考えてみよう。まずマスターの対応が違う。マスターは初心者を気遣い、ルールの細かいところまでフォローしてくれる。

 

 ルールを忘れていても大丈夫。たとえサイコロを忘れても、マスターや他のプレイヤーはにっこり笑って、貸してくれるだろう。

 

 なら、マスターはどうだろう。こっちは、もっと負担が軽減される。アドリブの失敗も、シナリオの穴も、たとえシナリオを用意していなくて、無茶苦茶になっても、初心者だからと笑って許してくれるのだ。みんなイイ奴だなー。なんてうらやましい。

 

 私には無理だ。こんなヒゲ面のいかつい男が「はっはっは、実はボク、初心者なんっスよー」なんて言っても、絶対信じてくれない。

 

 しかし、である。良く考えて欲しい。上記の利点は、ある程度回数をこなした人間にこそ、初めて有効なのだ。もし、本当にそれが初心者なら、その心中いかなるものであろうか。再現してみよう。

 

 みんなの・・・笑顔がイタイ。みんな親切だけと、内心ボクのマスタリングを笑ってるんだ。さっきの台詞がマズかったのか?それともシナリオが、本筋の右斜め後ろに進んでいるからか?ああっ!!どこだっ。!?どこを失敗したんだ?

 

 「あの・・・マスター」
 「は、ハイ!!なんでしょう!?」
 「社会の窓が・・・全開です」
 「はうっっっ!!」

 

 うん、うん、まさに針のムシロ。今回はそんな初心者マスターの為の、ピンチ脱出テクニック講座を行うことにしよう。

 

LESSON1  プライドと不安の狭間で

 

  初心者にとって、マスタリングで一番重要なのは、技術でも分かりやすいシナリオでもない。必要なのは、根拠のない自信と、プライドを捨てることだ。

 

 上記の例は、自信のなさとプライドの高さがもたらすものだ。君達は初心者なのだ。変にキバる必要は無い。始めににっこり笑って、「マスター初心者なんで、よろしくおねがいしまーす 」と言ってしまえば、大抵のプレイヤーはあきらめと共に、手伝ってくれるだろう。

 

 ボクはうまいマスタリングをなければいけないという考えを捨てろ。それが君達のプライドだ。せめて、うまいマスタリングができたらいいなー、程度にしとけ。君達はとってもとっても下手な、初心者なんだ。

 

 ん?そんなに初心者というレッテルが嫌か? よく考えてみたまえ。初心者の特権という奴を。

 

 失敗しても大丈夫!!

 

 コレである。ベテランに比べて、失敗したときのダメージが格段に少ないのだ。どんなに失敗しようが、「ショシンシャダモーン」と唱えれば全てOK!失敗は君達のせいではない。悪いのはショシンシャという謎の存在だ。

 

 どーだ、気が楽になっただろう。この技は「ダッテマホウダカラ」とか「ふぁんたじーダカラ」と同じくらい便利なシロモノである。是非、有効に活用して欲しい。

 

LESSON2 ファンブルしたら修練度に5点

 

 LESSON1で心理的問題は解決したな。まだ不安になら、先程の呪文を10回唱えるといい。唱えたか?よろしい。では、始めよう。

 

 LESSON2では実際に見られる失敗と、その対処法について説明する。

 

 パターン1 設定のつじつまが合わない

 

 よくある。非常によくある。プレイ前なら何とかなるが、プレイ中、それもプレイヤーに言われて気付いたら悲惨だ。

 

 慣れたマスターならニヤリと笑い、その穴を使って更にややこしい設定にしてしまうところだが、そんな難しいことをする必要は無い。

 

 もし、その設定についてプレイヤーに話していないのなら、話は簡単だ。そんな設定はすっぱり忘れて、サクサクと進む完全一本道型のシナリオにしてしまえ。

 

 話してしまっているが、修正がききそうな場合は叫べ。「ごめん!」と。そして、「~と~の部分、忘れて。設定に大穴があったから」と公開で修正してしまえ。

 

 シナリオが崩壊して、プレイできなくなるよりも、絶対に後味が悪くない。LESSON1でプライドを捨てた君達なら簡単にできるはずだ。

 

 ここで注意だが、話してしまっていて、プレイヤーがその穴に気づいていない場合でも、修正はすること。プレイヤーを甘く見てはいけない。

 

 絶対、1人や2人はいるぞ。気づいていながら、黙っている奴が。そしてプレイ終了後、ホッとした君達に得意げにクリティカルヒットを当ててくるんだ。

 

 「いやあ、面白かったですよ。でもこのシナリオ、穴がありましたねえ。おや、気付きませんでした?いやね、ここの情報(以下、延々解説してくれる)」

 

 これはムカつくぞ。

 

 修正がきかず、どう考えてもシナリオが崩壊する場合は、気合を入れて叫べ。「本っ当にごめん!!!」「悪い、設定に大穴があった。シナリオの性質上どうやっても話にならへん。今日はヤメ」と。

 

 後はひたすら謝りつつ、どういう設定でどういう穴だったのかを説明すること。無理に進めるより、皆の雰囲気を害さずにすむ。多分、皆は君達を肴に、こういう場合どうすればいいかを、楽しく話してくれるだろう。件の呪文を唱えつつ、皆の意見を謙虚に聞こう。

 

 パターン2 PCやNPCの名前を間違えた

 

 ベテランは全く気にしないが、どういう訳か初心者は気になるらしい。

 

 どーでもえーやん、話がちゃんと伝わってれば。そんなこと誰も気にしてないって。話の進行上まずいときだけは、修正しなきゃいかんけど。気になるようだったら即座に修正するだけ。その程度のことだ。

 

 パターン3 不用意な発言

 

 ここで言う不用意な発言とは、そのときはなんとなく言ってしまい、尚且つ後々シナリオを根本から揺るがすことになった一言である。

 

 これもよくある。大抵の場合、ノリや焦りによる常識的感覚の喪失か、何も考えていなかった為に起こる。説明しにくいので、実際に事例を挙げてみよう。ちなみに全部実話だ。

 

 まず、ノリによる常識的感覚の喪失

 

 そのマスターは取り敢えず、プレイヤーがゴブリンの村に着くまでに、アドリブで適当なトラップを出せばいいと思っていた。そこまではいい。結果、何が起こったか。

 

 ゴブリンの森に入ったPC達は、トラップにひっかかり、吊り上げ式のネットに捕らわれてしまう。下にはゴブリン達が集まって来る。ピーンチ!そこでプレイヤーが一言。

 

 「マスター、下まで高さどんくらい?」
 「100メートル」
 「え!?」

 

 ここでプレイが止まった。冷静に考えて欲しい。100メートルの高さまで吊り上げるトラップ! プレイヤー達は、このゴブリンが仕掛けたというトラップの構造について、熱い論議を交わし、このような強力なトラップを作成できる優れたゴブリンと戦うのは、無謀という結論に達したのである。

 

 次、焦りによる発言

 

 バンパイアが姫をさらって逃げた。このバンパイアには大した魔力は無く、手下がいる訳でもない。彼は小脇に姫を抱え、走った。

 

 シナリオはバンパイアと姫の悲恋をやりたかったと、後にマスターは語っている。

 

 当然、PC達は数分遅れでバンパイアを追いかける。噛んでいる暇は無かったから、まだ姫は無傷の筈。手回しの良いプレイヤー達は、馬を用意した。バンパイアは自分の足しか無いから、すぐに追いつく筈だった。

 

 翌朝になっても、追いつけなかった。

 

 バンパイアは足が速いのかもしれない。馬か何かを用意してたのかもしれない。でも、昼は動けない筈。彼らは馬を変え、休まず走り続けた。

 

 夜になっても、追いつけなかった。しかも、夜半頃に途中の村で、姫を抱えて走るバンパイアが目撃されていた。

 

 そんなことが3日続いた。ついにPC達は諦めた。理由は「姫はゲロにまみれて既に死んでいる筈だから」だった。

 

 冷静に考えて欲しい。車でさえ長時間乗れば、酔うことがある。ましてや小脇に抱えられ、馬を遥かに凌駕する速度で走られる。

 

 ひ弱な姫様なら、5分と保たずに嘔吐するだろう。恐らく1日目の朝には姫は死んでいる。それに気づかず3日も走り続けたことをプレイヤー達は恥じた。

 

 後にマスターは語る。「追いついたら話にならないので、焦って追いつけないと言ってしまった。焦っていたので、移動の手段までは考慮に入っていなかった」と。

 

 何も考えていなかった場合

 

 そのシナリオはホットスタートだった。シナリオの最初にPC達は、疫病の蔓延した村に入ってしまい、感染する。

 

 「マスター、それってどんな病気?」
 「単純に説明しますと、空気感染型のエボラ(エイズだったかも)で感染後1日で発病。遅くとも3日後には死亡します」

 

 恐らくマスターは、プレイヤー達を焦らせたかったのだろう。

 

 冷静に考えて欲しい。もし、突然そんな病気になったら、普通は絶望して無気力になるか、犯罪に走るぞ。ちなみに、そのPC達は、良識があった。全てを受け入れ神に祈ったのである。

 

 これらの事例は、いずれもシナリオ作成の段階で全く考慮せず、アドリブの一言が致命傷となった事例である。が、やってしまったものはしょうがない。実際よくあるし。では、どうすれば良いか。

 

 3つの事例に共通して言えるのは、マスターが自分の言ったことを修正しなかったという点である。そう、修正すれば良い。

 

 タイミングは、まずいと気付いたらすぐにだ。

 

 「ごめんっっ!いまのナシっ!!」

 

 これで良い。はっきり言って、これ以上の手段はない。

 

LAST LESSON ボクハショシンシャデス

 

 ある団員(正直、誰だか忘れた)が初心者のマスターに対して、「最悪、ギャグのシナリオにしてしまう、というのも手だ」と言っていたが。これは間違いだ。初心者には経験がないから、どのタイミングで方向転換をすれば良いのか分からないからだ。

 

 ところで、君は気づいているだろうか。今回の講座では私は2つの事しか言っていない。初心者は間違えても、気に病む必要がない。間違えたら直せばよい。これだけだ。そして何のためらいも無く言えるのが、君達初心者マスターの特権なのだ。

 

 はじめのうち、ゲームがシナリオ通りに進むことは、まず無い。TRPGにおける経験の中で、最初になんとなくうまくなったと他人に思わせるのは、面白いシナリオや会話技術ではない。何かをするタイミングの取り方である。

 

 ここらへん車の運転と一脈通じるところがあるな。小さなミスを修正するタイミング、脱線をフォローするタイミング、ギャグをかますタイミング・・・これらは殆ど経験と勘に頼るしか無い。

 

 これを掴んでいないのが初心者だと私は考えている。だから、初心者にできる対応策はただ一つ・・・ミスに気づいたら即座に直す、謝る。これだけしか言えないのだ。

 

 つーて、私も今だにタイミングを掴み切れたとは言えんしなー。

 

 一丁、私も初心者を名乗ってコンベンションに出てみようかね。何やってもOKだし。ねえO氏?

次章に続く

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